ハンガリーの首都、ブダペストは「ヨーロッパで最も美しい街」と言われています。
美しい街並み、道端に落ちているゴミも少ない。そして、移民も比較的少ない。
しかし、その裏には厳しい移民対策が存在しています。
Photo by Sara
2015年ヨーロッパ難民危機
2015年、ヨーロッパでは大規模な難民危機が発生しました。各地で起こった紛争により、中東・アフリカから多くの難民がヨーロッパに押し寄せてきたのです。
この危機を受けて、ハンガリーはセルビアとの国境にフェンスを設置し、不法入国を厳しく取り締まる措置を始めました。
全長175キロメートルの国境フェンス。この対策により、移民の流動を大幅に減少されました。
この対策について、ポジティブな意見も多くあります。犯罪率が減少し、国民のアイデンティを確立できるという意見です。
少子化対策に取り組むハンガリーは、この移民対策を実施することで、国民を国外に移住させないための対策をしていると考えられます。
移民政策が引き起こす悲しい現実
一方で、移民対策には悲しい現実も伴っています。
「流れてきた移民はどこに住めばいいのか?」という問いが立ちます。これらの人々は、戦争により故郷を失った人々です。
中東やアフリカで起こっている紛争だけでなく、ウクライナ紛争、ユーゴスラヴィア紛争、ボスニア紛争など、これらの地域では同じ民族が戦争により分断され、いがみ合い、排他的になってしまいました。
ハンガリーを含む中央ヨーロッパやウクライナなどの東ヨーロッパには、同じスラヴ系民族が異なる国々に分散して住んでいます。
本当は故郷に帰りたくても、戦争によりその場所がなくなってしまったのです。
この地球は、すべての人が属する場所であるべきです。
「人々を追い出すなんて、彼らは一体何者なのか?」
ボスニア出身、戦争を逃れてオーストリアに住む青年はそう語ります。
この記事で取り上げたテーマは、私たち日本人には馴染みのないトピックかもしれません。これは問題提起というよりも、事実を知ってもらいたいという願いです。
自分のアイデンティティは、どこに属しているのか?
世界平和という言葉が、綺麗事に聞こえるかもしれませんが、「移民」という枠組みに捉えられて、ネガティブなイメージを持つのではなく、一人ひとりと向き合って話すと、私たちと同じ人間だと感じるはずです。
彼らもただ、家に帰りたいだけ。
もっと世界が優しく、健やかになってほしいと心から願っています。
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コメント一覧 (1件)
[…] ハンガリーの移民対策の記事でも述べましたが、まずは何が起きているのか、事実を知るというところから始めるべきだと考えています。この問題にどうアプローチするべきかを考えて […]